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タックスレター

2023.04.07

~相続税の債務控除~

今月号では、プラスの相続財産から差し引くことができる債務控除についてご紹介いたします。

 

【相続財産から控除できる債務】

相続税を計算するときは、被相続人が残した借入金などの債務をプラスの相続財産から差し引くことができます。

 

【差し引くことができる債務】

 被相続人が残した借入金や未払金などで、被相続人が死亡したときに存在していたことが確実と認められる債務です。

 また、被相続人が納めなければならなかった税金で、まだ納めていなかったものも含まれます

(延滞税や加算税は差し引くことができません)。

 

【葬式費用】

 葬式費用は債務ではありませんが、相続税を計算するときにプラスの相続財産から差し引くことができます。

 この場合の葬式費用とは、①お寺などへの支払、②葬儀社などへの支払、③お通夜に要した費用などです。

 なお、墓地や墓碑などの購入費用、香典返しの費用や法要に要した費用などは、葬式費用に含まれません。

 

※一口メモ 相続税が非課税になる主な財産※

◆祭祀財産

 → 墓地や墓石、仏壇、仏具、神を祭る道具など日常礼拝をしている財産

◆公益事業用の財産

 → 相続や遺贈によって取得した財産で、公益を目的とする事業に使われることが

   確実なもの

◆生命保険金の一部

 → 相続によって取得したとみなされる生命保険金のうち 500 万円までのもの。

◆死亡退職金の一部

 → 相続によって取得したとみなされる退職手当金等のうち、500 万円までのもの。

 

≪葬式費用になるもの≫(相続財産から控除可能)

◆病院や自宅から葬儀会場までの回送費

◆通夜、告別式の費用

 葬儀社への支払いの他、当日に通常要する飲食代、車代、お布施なども含まれる

◆火葬料

◆通夜のふるまい

 式場の料理のみならず、近くのスーパーなどで購入した食事・菓子類も含まれる

◆相続人からの供花

 

≪葬式費用にならないもの≫ (相続財産から控除不可)

◆墓地・墓石の購入費用

◆位牌

◆礼服のレンタル料、着付け代

◆初七日法要費用

 ただし、告別式当日に初七日を行う場合は葬式費用となる

◆粗供養(香典返し)

 会葬御礼として通夜や告別式当日に参列者全員に配るものは葬式費用となる

 

 

≪墓地や墓石を購入した場合の相続税≫

▶生前(相続開始前)に購入 ⇒ 相続税対策になる。

被相続人が墓地や墓石を購入したことで、相続税が課される現預金が減り、他方相続税が課されない墓地や墓石が増えるためです。

※ 被相続人(亡くなったご本人)が亡くなった時点で所有していた一定の財産には相続税が課税されますが、墓地や墓石等のような「祭祀財産」は“非課税財産”となり、相続税は課税されません。

 

▶亡くなった後(相続開始後)に購入 ⇒ 相続税対策にならない。

亡くなった後に、相続人が購入した墓地や墓石の費用は「葬式費用」に該当しないため、相続財産から差し引くことができないためです。

※ 被相続人が墓地などを生前に購入した場合には、通常は、相続財産が減ることになります。しかし、この購入代金を未払いのまま残していた場合には、非課税財産である墓地などの未払代金は「債務」には含まれませんので、債務控除の対象にならない未払金などをつくって、課税されない墓地などを購入しても相続税対策にはなりません。ご注意ください。

 

 

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相続財産から差し引くことができる債務や葬式費用についてを取り上げました。

ご紹介した以外でも債務控除の対象となることもありますので、判断に迷われた際には当事務所へお問い合わせ、ご依頼ください。