インボイス制度が始まりました。従業員に通勤手当を支給する場合、従業員はインボイス発行事業者ではないためインボイス(適格請求書)の交付を受けることができません。
では、通勤手当は仕入税額控除ができないのでしょうか?
【通勤手当に係る消費税の取り扱い(特例)】
通勤手当は、消費税法上は課税仕入れとして取扱い、インボイスの保存は不要で一定の事項を記載した帳簿の保存のみで仕入税額控除が認められます。 この特例は、通勤手当のほか、従業員に支給する出張旅費、宿泊費、日当等のうち、その旅行に通常必要であると認められる部分の金額について適用があります。
【一定の記載事項とは】
通勤手当における一定の記載事項とは、次の通りです。
通常必要な記載事項(①~④)
①相手方の氏名又は名称
②取引年月日
③取引の内容
④支払対価の額
⑤出張旅費等の特例(従業員に支給する出張旅費、通勤手当)に該当する旨
→通勤手当については、消費税の取り扱い方法は基本的に従来通りと考えて問題ありませんが、帳簿には「従業員に支給する通勤手当」であることを忘れずに記載しましょう。
通勤が公共交通機関以外で行われる場合、例えば、マイカー通勤の従業員にガソリン代を支給するケースでも、それが通勤に必要な金額であれば、当該ガソリン代の支給についてインボイスの保存がなくても仕入税額控除を受けることができます。
(文責:田山 紘子)